ファンクラブを作る

for Publishers / for Bookstores
●リトルスタッフ
リトルスタッフでファンクラブを作る
「選書」をコアにしてファンと繋がりたい本屋さんに。リトルスタッフでファンクラブを作る。
本屋に新しい収益をつくる「リトルスタッフ」
「リトルスタッフ」というサービスは知っていますか?
リトルスタッフとは「本屋」と「本屋のファン」をつないで、継続的な応援を可能にするウェブサービスのことです。ウェブだからといって難しく考える必要はありません。実際、2017年からスタートし現在では約40もの本屋が参加しています。
簡単で、すぐに新しいお金の流れを生み出すこの取り組みは、すでにたくさんのお店とお客さんに良い影響を生み出しています。
1.「リトルスタッフ」って何?
では、リトルスタッフとはどういうサービスなのか説明していきます。
本屋が好きな人なら、一度くらいは「この本屋のために何かしたい!」と思った経験はないでしょうか? 私も何度もそう思ってきました。
ですが、いくら本を買おうと思っても限界はありますし、実際には購入した金額の2割程度しか本屋の利益にはなっていません。また、忙しくてなかなか足を運べなかったり、遠方の本屋を応援したいこともあります。
リトルスタッフはそんな「もっと簡単に、直接本屋を応援したい!」という思いを、誰でも簡単に実現するサービスです。
2.リトルスタッフの仕組み
本屋はリトルスタッフに登録することで、本屋のファン(パトロン)を募ることができます。ファンは毎月応援したいだけの金額を支払い、本屋にはそこから手数料(10%以下)を引いた金額が振り込まれるという仕組みです。
例えば、毎月1000円提供するファンが20人いる場合はこの通りです。
    1000円/月 × 20人 × 0.9 = 18,000円/月  (手数料は10%までで変動制)
これは一例で、ファンが増えれば増えるほど毎月のサポートは増えていきます。
お客さんが本屋にお金を支払う仕組みは分かりましたが、逆に本屋は応援してくれるファンのために何をすればいいのでしょうか?
本屋ができることは2つあります。
①選んだ本や本棚の写真と文章を投稿する。1回の投稿で5枚まで画像投稿が可能。
②希望者がいた場合、投稿した本を取り置きする。複数いる場合は抽選となる。
※参加書店である乃帆書房の投稿例がこちら
投稿のタイトルとメッセージ(メッセージは省略可)

投稿に含まれる画像は1枚ごとに表示される
このように選んだ本の写真と文章をペアで投稿していきます。定期的に写真と文章をアップしていけば良いので、本屋の運用コストは低いです。そして投稿する本の種類や紹介の仕方で、本屋としての魅力が表れてきます。腕の見せどころというわけです。
また、使い方次第ですが、選書した棚の写真をアップしたり、もしくは日記やエッセイを公開してもいいかもしれません。
使い方がわかりやすく汎用性が高いので、新しいコミュニケーションの入り口とも捉えられます。「あの写真に写っていた本、。どこにありますか?」なんて、お店での会話のきっかけにもなることでしょう。
3.リトルスタッフへの参加方法
ここまで読んで「参加してみたいな」という本屋の方がいたら、こちらのリンクから必要項目の入力をお願いします。
【書店様向け】リトルスタッフの登録申請
必要なのは3つ。「店名」「メールアドレス」「本屋としての活動/参考となるURL」を入力するだけ。数日以内にリトルスタッフの担当者の方から連絡が届きます。
最後に「リトルスタッフ」という名前の由来を紹介します。
リトルスタッフには「誰もが小さいスタッフである」という思いが込められているそうです。本屋のファンは本屋にとっての「小さいスタッフ」であり、それぞれの本屋も書店業界・出版業界にとって「小さいスタッフ」です。
リトルスタッフはいわば架け橋のような存在です。このサービスを使うことで、お客さんと本屋は少しずつ歩み寄れるような気がするのです。そして近づくことで、お互いにもっと助け合ったり、一緒に未来について考えていくことができるようになるはず。
まずは小さい一歩から踏み出してみてはいかがでしょうか?(文・イイムラ)
※本記事に記載されている情報は、2020年5月25日現在のものです。手数料、発行までの手順をはじめ、情報が変更されることもあります。
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リトルスタッフ
本屋さんとファンをつないで、継続的に本屋さんを支援するためのWebサービスです。支援の90%以上が本屋さんに還元されます。
リトルスタッフ
●CAMPFIRE Community
CAMPFIRE Communityでファンクラブを作る
ファンと一体化してお店を運営していきたい本屋さんに。CAMPFIRE Communityでファンクラブを作る。
お店のファンクラブを作りたい、でも毎月会費を徴収するのは大変と、二の足を踏んでいる本屋さんの方も多いのではないでしょうか。
クラウドファンディングサイトのCAMPFIREは、”CAMPFIRE Community”という月額課金が可能な機能を持っています。
”CAMPFIRE Community”機能を使えば、毎月の会費徴収の手間に悩むことなく、ファンクラブの運営が可能です。
おおまかに、CAMPFIRE Community内募集ページ制作→会員募集開始→ファンコミュニティ運営開始という流れになります。
【月会費/リターンの設定】
まずは、月額の課金料金(500円~2,900,000円の間で設定可能)とリターン(返礼品)を設定。月額料金は複数の設定をすることが可能です。リターンが厚い特別コースを作るもよし、同じリターンで学生料金を作るもよし。
リターンの内容は、
・ファン同士が交流をする「ファン専用」コミュニティの場として非公開のSNS(非公開FacebookグループやLINE、Slackなど)へ招待したり
・定期的なリアル/オンライン交流会を開催したり
・会報を出したり…
といったものが一般的です。ここが「個性の出しどころ」と言えます。
CAMPFIRE Communityは他のファンクラブプラットフォームに比べリターンの設定の自由度が高いので、本屋さんや店主、運営者の個性に応じての設定が望ましいでしょう。
非公開SNSを作り、運営者がそこに参加/発言するなど、運営コストをかければかけるほどコミュニティは強固なものになります。「ファンの意見や参加も受け入れながらお店づくりをしていきたい」といった場合は非公開SNSを積極的に取り入れ、長期的なファンコミュニティ形成を目指すのも手です。
事例①:青山ブックセンター「青山ブックコミュニティ
事例②:「倶楽部デジタルケイブ」
【会員募集・会費の入金サイクル・その他】
会員の募集に関して、すでにSNSなどでコミュニティの形成が行われているのであれば、比較的スムーズ、ファンの退会の手続きもCAMPFIREを通じて簡単にできます。
集まった会費(支援金)は、プラットフォーム手数料(10%)及び消費税(手数料の10%)が引かれ翌日振り込まれます。
ほか、留意点は以下のとおり。
①ファン(お客様)の支払い方法はクレジットカードか、携帯料金のキャリア決済
②コミュニティー運営には別途、Facebook(非公開)、Slack、LINEなど外部SNSを使う必要あり
③リターンは必須ですが、非公開SNSの参加権などもリターンとすることも可能
④Pay Activity 機能を使えば、コミュニティ限定のコンテンツ販売も可能
【最後に】
リターンを自由に決められることがCAMPFIRE Communityの特徴です。最大手だけあり、今後の機能の拡張性などにも期待できるプラットフォームと言えるでしょう。
ファンクラブが思わぬ活路になる可能性もあります。気軽に、とまではいきませんが、ぜひ挑戦してみてください!(文・由井緑郎)
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Campfireコミュニティ
継続的に月額で創作資金が募れる「CAMPFIREコミュニティ」。開設はもちろん無料。
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●note
noteサークル機能でファンクラブを作る
「コンテンツの発信」でファンと繋がりたい本屋さんに。noteサークル機能でファンクラブを作る。
文章、写真、イラスト、音楽、映像などを手軽に投稿でき、作り手/情報の発信主(クリエイター)とフォロワー(ファン)をつなぐサービス「note」に、2020年2月、月額料金制のコミュニティを形成できる新しいサービス「サークル」機能が加わりました。この機能を活用して“本屋さんのファン”をつくる方法を考えてみます。
そもそもnoteって何?
2020年4月にサービス開始6周年を迎え、月間アクティブユーザー4,400万人(2020年3月期)、720万件以上のコンテンツが集まるnote。まず、その概要を説明します。文章や写真を載せて読者とやりとりをするなら、すでにブログという形態がありますよね。noteは何が違うのか。最大の特徴は、ブログ開設で必要とされるHTMLの知識、特別なアプリやソフトなしに、各種設定やデザインといった問題に頭を悩ませるもことなく、作成したコンテンツ(文章や作品)をすぐに投稿できること。そして、noteから直接、それらを販売できることです(各種手数料については※注参照)。 では、具体的にどのようなコンテンツを置けるのでしょうか。
1.つぶやき
投稿できる文字数は140字以内、画像サイズ10MB以内(文字と画像は同時投稿可能)と、仕様はTwitterとほぼ同じです。フォロワー(ファン)に近況を伝えたり、簡単な告知をするなど、気負わずに使うのがコツです。
2.テキスト
長い文章を投稿して、簡単に記事を作成できます。手軽に画像を挿入したり、見出しや目次を置くことも可能です。小説やコラムなど読み物の発表の場としての利用も増えています。作成したコンテンツは販売が可能です。
3.音声(テキストとあわせて投稿可能)
自分で作った音楽や音声ファイルを公開することができます。音声メディア最大の利点である「何をしていても“ながら“で聴ける」を生かし、ヴォイスレターとして情報を発信する使い方もいいかもしれません。
4.動画(テキストとあわせて投稿可能)
YouTubeやVimeoといったサービスにアップロードした動画を投稿することができます
※注 コンテンツを販売する際に引かれる手数料
①決済手数料(購読者の決済手段による)
クレジットカード決済:売上金額の5%
携帯キャリア決済:売上金額の15%
②プラットフォーム利用料(売上から決済手数料を引いた金額から徴収)
有料記事、有料マガジン、サポート、サークル:10%
定期購読マガジン:20%
③振込手数料(売上金の支払時に徴収)
270円
どうしてnoteがいいの?
「コンテンツを発信するプラットフォーム」と「ユーザー同士のつながりを生むSNS」という2つの側面をあわせ持つnote。その魅力は、「ポジティブなコミュニティが生まれやすい点」にあります。noteではサイドバーや広告が最大限、排除されており、訪れた人がコンテンツだけに集中しやすい環境が整っています。あくまでも中心はコンテンツ。そのコンテンツに共感して集まった人たちから同心円的にコミュニティが広がっていくというイメージです。
noteの詳細については、公式サイトのhelp centerをごらんください。 https://help.note.com/hc/ja
新機能「サークル」の可能性を考える
note「サークル」は、クリエイターが月額会費制のコミュニティを設定できる仕組みです。月会費はクリエイターの側が100円〜1万円の間で自由に決めることができ、その10%がプラットフォーム利用料として徴収されます。1クリエイターにつき、立ち上げられるサークルは1つです。サークル内では、メンバーだけが閲覧できる「掲示板(1サークルにつき1つ)」をクリエイターとメンバー(同士含む)の交流の場として使えます。また、クリエイターはサークル内で最大3つまでプラン(月会費)を提示できます。
※プランの例
①特典で差をつける → 掲示板利用のみ/+有料記事プレゼント/++イベント招待
②属性で差をつける → 学生向け/社会人向け/パトロン向け(支援重視型)
クリエイターは、メンバー管理が可能です。不適切と判断したメンバーを退会させることができます。
実は、noteの「サークル」は、お金を払った人だけにコンテンツを提供するオンラインサロンと大きな違いはありません。ただし「掲示板」の機能を活用してメンバー同士の交流を促し、“強烈なファン”を育てていくことができます。クリエイターがふだんはnoteに書かない裏話(店主が推す書店近くの美味しいお店情報など)を投稿したり、記事や情報の先行公開を行うことで生まれた“お得感”がメンバー間で増幅され、“ファン”としての意識がより高まっていくことでしょう。 イメージとしてはまさにサークル。いたずらに人数を増やすのではなく、参加者ひとりひとりに目が行き届くサイズを想定しましょう。そうした密な関係のなかで育った“強烈なファン”が、他SNSなどで自発的に情報を拡散してくれる効果も期待できます。
とはいえ、弱点もある
noteは株式会社noteが運営するシステムです。他のブログサービスなどと同様、料金体系や販売についての規定が変わったり、突然、終了してしまうかもしれません。永続性が保障されたサービスではないということを頭に置き、コンテンツはバックアップをとっておいたり、noteで販売ができなくなった場合の善後策を考えておきましょう。
月額会費制の「サークル」運営に当たっては、会費に見合ったサービスを定期的にメンバーに供給し続けていくことが重要です。これは運営者の“義務”と考えていいでしょう。メンバーもボタンひとつで自由に入退会ができます。魅力がないと感じたら、容易に去っていってしまう。一度つかんだメンバーを引きつけておくためには、自身の魅力や強みを分析し、“ファン”が求めるものを見極め、喜ぶかたちでコンスタントに提供する必要があります。参加のハードルは低いnoteですが、モチベーションを維持し続ける難しさは他のSNSと何ら変わるところはないのです。「サークル」も手軽に一定収益が見込めるという算段だけで参入するとかえってマイナスのイメージを生みかねません。入り口として、まず「有料コンテンツ」を販売してニーズの把握に努め、コミュニティの方向性や形態を固めていくところから始めてみましょう。何よりも大事なのは、自分が楽しむことです。(文・小島ともみ)
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noteサークル
月額会費制のコミュニティが手軽につくれる「サークル」機能がスタートしました
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